Hisen

夏、もうすぐ秋が来るごろ

気がついたら、外はもうすごい風が吹き始めた。小さな溝から、普段あまり聞かない音がしている。しゃーしゃーって。

めっちゃ黒い雲が動かず、ビルのうえにダラダラっと横たわっている。ビルの色調が、空色からちょっぴり黄色に変わっていた。君が何かを考えているように、テラスで気まぐれなかぜを感じている。窓の外から、ぐるぐる舞っている葉がみえる。

母さんがなにかを思い出したようで、きみを呼び出し、雨がくるから、早く窓を閉じ込めなさいって。

窓を閉じて、振り返ってみると、また大きい声で掛けられた。

鈴木もももちゃんも、ずっと一緒にいる幼馴染だ。鈴木がジョーカーを出したみたいで、今回ももちゃんが敗北決定らしい。

「雨が降ったの?」ってももちゃんから聞かれていた。そうですねって言い返ったら、「あっそ」って返事が来て、「じゃあもう少し遊ぶね」の声がした。

「いっそここで夕飯でも食わない?」

「それはやだ」ももちゃんがほほえんだ、「私んち今日バーベキューすんの」

「あっそ」君は残りのカードを持ち上げてた「ではくらえ!俺もジョーカー!」「何よ二人ども!ずる過ぎない?私一回もジョーカー引いたことないですけど!」って三人が同時にだいばくしょう。

時がもうすぐ午後五時、空が暗くなってる。君は明かりをつけた、黄色の光が部屋の中をこもってた。あたたかい。こんな時間は、もう少し続けそう。





……という午後を過ごしたいです

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